こちらは平成20年分(平成21年3月申告)用のコンテンツです
平成23年分(平成24年3月申告)用はブログ版の
弥生マイスター(http://ameblo.jp/yayoi-meister/)をご覧ください
第2章 決算手続
8.減価償却費の計算
8−2.決算でやること
(3)償却方法あれこれ
さて、固定資産を登録する中で、「償却方法」がいくつかありました。さきほど、
届け出をしていなければ「定額法」と説明しましたが、届け出によって選択したり、
申告手続によって有利な方法を採ったりすることができます。
では、それぞれの償却方法について説明しておきます。
- 定額法
1年を耐用年数で割って計算した償却率を、もともとの購入金額にかけて
毎年の償却額とする方法です。毎年一定の償却費になります。
建物は定額法に限られます。 - 定率法
耐用年数により償却率が決まっており、毎期の帳簿残高に償却率をかけて
計算する方法です。最初のうちに多額の償却費が計上できます。 - 均等償却
定額法と似ていますが、対象となる金額を耐用年数で月割配分する方法です。
税法で定めている繰延資産の償却などで使います。 - 一括償却
減価償却資産の購入額が20万円未満のときに適用できます。本来の償却に
かかわらず、3年で均等に償却します。
これを選択したときは「一括償却資産一覧表」を使います。 - 任意償却
あなたが償却したい金額で償却できます。
開業費などの繰延資産がこれにあたります。 - 即時償却
減価償却資産の購入額が30万円未満のときに適用できます。
少額減価償却資産といいますが、事項で説明します。 - 非減価償却資産
文字通り減価償却資産でないものです。償却できません。
土地など、使っても減らないものが該当します。
(4)少額減価償却資産
青色申告をする中小企業者については、特典として少額減価償却資産の制度が
あります。これは、30万円未満の減価償却資産については、個々の合計が
年300万以下であるものに限り全額を償却費としてよい、という制度です。
ただし、平成22年3月31日までに取得したものに限ります。
制度の適用にあたっては申告手続きが必要です。弥生会計の固定資産管理では、
最初に適用する資産の「償却方法」を「即時償却」に設定します。
次に画面下の「摘要」に「措法28の2」(租税特別措置法の条文番号です)と入力して
ください。後で青色申告決算書に集計するときに、この摘要の文言が連動されます。
この文言がないとこの制度が適用されません。
(5)減価償却費を弥生会計へ入力
いよいよ弥生会計への決算手続として、減価償却費の仕訳を入力します。
といっても「一括償却」以外の仕訳は簡単です。
決算時に年間の償却費を入れる前提で説明します。
- まずは「固定資産一覧」の画面にしましょう。
- 「仕訳書出」をクリックします。
- 「固定資産仕訳書出」画面では「本決算仕訳として書き出す」を選択し、
OKをクリックします。 - 自動的に伝票仕訳が作成されますので、OKなら登録をクリックします。
これだけなんです。なお、毎月仕訳を書き出したりしている場合は、
年額が合っているかどうかをチェックしてください。
「一括償却」については、別の「一括償却資産一覧表」になりますが、こちらには
仕訳書出機能がないため、手入力してもらいます。正直「つかいにくい」です。
- まずはメニューバーの「拡張機能」→「固定資産管理」→「一括償却資産一覧表」を
選択します。 - 「資産設定」をクリックします。
- 「一括償却資産設定」画面では、取得した年ごとに金額を入力します。
基本的に「償却の基礎になる金額」を3で割った金額を、「本年分の普通償却費」に
入力すればOKです。 - 3年分の合計が、画面下部の「一括償却資産償却履歴」にある
当年分の「損金算入限度額」と合っていれば大丈夫です。
- さて、弥生会計への仕訳ですが、一括償却資産自体の定型仕訳が用意されて
いませんので、減価償却費の伝票や仕訳アドバイザーなどを参考にしてください。
振替伝票で入力するなら次のとおりです。
- 左 側 (借方) 金 額 / 右 側 (貸方) 金 額
- 減 価 償却費 償却費の金額 / 一括 償却資産 全体の償却費
- 事 業 主 貸 家事費の金額 /
ここで「家事費」と言うのは「事業専用割合」の入力により全体の償却費のうち
事業用でないとした部分のことです。