こちらは平成20年分(平成21年3月申告)用のコンテンツです
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第2章 決算手続
2.棚卸をする
2−1 準備するもの
- 棚卸表(ノートや集計用紙で可)
- 仕入請求書等(納入価等確認のため)
2−2 決算でやること
(1)棚卸って何だ?
「棚卸(たなおろし)」と聞くと、年の瀬にひたすら在庫の数を数えて、
値段を調べて一覧表を作ってる姿が思い浮かぶことかとおもいます。
これって何のためにやるんでしょう?
年末はただでさえ忙しいのに・・・
結論から言うと、「正確な利益」を出すためです。
利益と言うのは、売上からその売上にかかった原価を引いたものです。
ところが、普段取引を入力している段階では、売上は売り上げた分が、
原価(仕入)は仕入れた分がバラバラに入力されているだけで、
「売った分に対する仕入れはいくらか?」ということは何も考慮されていません。
その対応関係を簡単に把握するには、
売れ残っている分である「在庫」を原価から除いてしまえば良いわけです。
「除いちゃったら経費にならないじゃないか!」
確かに。在庫はその年の経費にはなりません。
翌年以降に売れてはじめて経費になります。
「儲かっちゃったからたくさん仕入れて経費を増やそう」
というのは間違いですので気を付けましょう。
(2)棚卸のやり方
棚卸のやり方は、モノを売る仕事や、その日で終わるサービス業である場合、
ひたすら数える作業になります。
集計用紙などに商品名や材料名等、数量、単価、金額欄を作って、
ひたすら数えて集計するのです。
商品名と数だけを手で書きだして、
集計計算はエクセルなどでやるのが効率的でしょうか。
なお、棚卸の金額を出す作業自体は、年末前後は大変なので
1月末までに行えばよいです。
後で集計できるように商品名と数を把握しておきましょう。
数える作業では、数えながらひたすら表に書き込んでいくのもよいですが、
例えば棚卸をする棚の段ごとに表を用意して、
数えたところからその棚に貼っていき、
数え終わったら数えもれがないかをチェックしながら
回収していくのがよいでしょう。
数える対象として、
契約倉庫に入れてある在庫や、
仕入れ発注済みで伝票は切られているのにまだ届いていないもの、
などがもれやすいので注意しましょう。
また、在庫を数えていく中で、廃棄すべき破損品等や、
季節商品の売れ残り、品質変化、型落ちなどのものが出てくるでしょう。
年内に廃棄したものについては、廃棄リストなどに書き出しておきつつ、
廃棄処分の事実がわかるようにしておきましょう。
その他の処分品で仕入れ値よりも低い値段で売る時は、
その売価で棚卸を計算してよいです。
棚卸の対象には商品や材料のほか、包装材料や事務用品・切手印紙類も
含まれますが、普段置いてある金額が少額であるときは、棚卸をしなくてもよいです。
さて、製造業や建設業の場合はもっと大変です。
もともとの材料に加え、
仕掛品や仕掛工事などまだ出来上がっていないもの、
完成しているが売れていないもの、
を棚卸します。
その金額は、それぞれの材料費に労務費や外注費・経費などを割り振って
計算しなければなりません。