こちらは平成20年分(平成21年3月申告)用のコンテンツです
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第3章 消費税手続
4.売上課税区分のチェック
4−1.税区分不明のチェック
消費税のチェックで何より大切なのは、税区分のチェックです。
なぜなら決算書の数字がOKだったとしても、決算書の売上と消費税の売上は
イコールでないからです。売上自体に消費税のかかるもの・かからないものがありますし、
決算書に載らない数字についても消費税がかかる場合があるからです。
これらについては、事項より説明していきます。
まずは、税区分がもれなく入力されているか確かめましょう。以下の手順で行います。
4−2.非課税売上、対象外がないか
非課税売上、対象外でよいものを課税売上としてしまうと間違いなく損します。
先ほどの「科目別税区分表」などで、該当しそうな科目の税区分をチェックしましょう。
非課税売上とは、本来は消費税のかかる取引ですが税法で消費税をかけないとして
いるものです。例えば居住用建物の賃貸収入や地代収入、土地の売却代金、社会保険
診療収入などがこれにあたります。
対象外とは、もともと消費税のかからない取引です。例えば損害賠償金の受け取り
(一部例外があります)などがこれにあたります。
4−3.簡易課税の業種区分に間違いがないか
簡易課税で税額を計算する場合には、非課税・対象外のほか、業種区分をチェックしな
ければなりません。業種区分が複数ある場合は、最終的なみなし仕入れ率の計算が
複雑になってきますので、特に注意が必要です。
「売上高」に業種区分が混在するようなときは、あえて勘定科目自体を分けて作って
しまうのも一法です。
念のため、業種区分は以下のとおりです。
- 第一種事業
卸売業(仕入れたものをそのまま他の事業者へ販売)。 - 第二種事業
小売業(仕入れたものをそのまま消費者へ販売)。 - 第三種事業
製造業・建設業・農業・林業・漁業など。
作ったものを消費者へ販売する製造小売業はこちらに分類されます。 - 第四種事業
一・二・三・五種以外(飲食店・金融・保険業など)のもの。
所有資産の譲渡はこちらに分類されます。 - 第五種事業
飲食店以外のサービス業、不動産業、運輸・通信業など
4−4.課税売上自体のもれがないか
課税売上の入力で一番もれやすいのが、事業に使っていた資産を売却した場合です。
「少額減価償却資産」等の場合は事業所得の収入として売上計上するので「損益計算書」の
売上と課税売上が一致します。しかし、建物や車両などは譲渡所得の収入として
「事業主貸」などへ振り替えてしまうため、税区分に「課税売上」などをつけ忘れて
しまうのです。
また、その資産の帳簿残高と売却額は違うものであるため、単純に税区分をつけるわけ
にもいきません。例えば、帳簿残高が60万円の車両を30万円で売却した場合に、
弥生会計へ税込経理で振替伝票を入力するときは次のように行います。
- 左 側 (借方) 金 額 / 右 側 (貸方) 金 額
- 預 金 等 300,000円 / 車 両 300,000円(課税売上)
- 事 業 主 貸 300,000円 / 車 両 300,000円(対象外)
ポイントは、帳簿残高60万円に「課税売上」の税区分をつけるのではなく、売却額の
30万円につけて、残りの30万円には「対象外」の税区分をつけるということです。